輝かしい新春を迎え
 皆様のご多幸と世界の平和と安寧を
   祈念いたします

 新しい年が幕を開けました。昨年は東北地方太平洋沖地震による災害と、それにともなう人災が大きな被害をもたらしました。このような災害の前にいかに私たち人間の力が小さく無力でありながら、それでいて傲慢であるかを、思い知らされました。建築に関わるものとして何をしていくべきか、新春を迎えあらためて考えさせられる思いです。私たちが震災からの復旧・復興・再生にどのような意識をもってのぞむべきかが、あらためて問われていると感じるからです。

 空間や建築の役割は時代とともに変化してきました。前近代では、空間の主役は権威や権力の象徴でありましたが、大量生産大量消費の時代ではモノが空間の主役に入れ替わりました。大量生産大量消費の時代が終わった現在では、空間の主役が、人間の活動の可能性になりつつあると感じています。

 未来の可能性は、今あるものをどれだけ獲得するかではなく、今あるものを有効に活用し、今ないものをどれだけ見つけ出し、つくれるか!だと信じています。昨年あらたな繋がりで得た人々と接して、人の力はまだまだ満ちあふれている!ということを感じました。決してよくない日本の経済状況が世界ではましだということが、八方塞がりのような状況にも思えてしまいますが、社会資源が人の力!これが日本の良さであり強さ!だと思えば、可能性はもっともっと拡がります。そう信じて、明るく力強く前を向いてまいりたいと、念頭にあたり思います。

 本年もどうぞ宜しくお願いいたします

人建築事務所 関口啓介